滋賀県大津市にて、プラスチック成型加工を営まれる企業様より

「新設する加工機械の設置スペースに、コストを抑えた防塵・空調対策を施したい」とのご相談をいただきました。

プラスチック製品の製造現場において、「埃（ホコリ）」は最大の天敵です。

静電気を帯びやすいプラスチック製品に微細な塵が付着すると、塗装不良や外観の欠陥、ひいては歩留まりの低下に直結してしまいます。

今回は、クリーンルームを設置するほどではないものの、高い防塵性能と空調効率の向上を両立したいというニーズに対し、

「カーブレール仕様のビニールカーテン間仕切り」による解決策をご提案・施工いたしました。

お客様からは、以下の3点を重点的に解決したいとのお声をいただいておりました。

・精密機械の保護: 新しく導入する高精度な加工機械を、外部の埃から遮断したい。

・コストパフォーマンス: 本格的なクリーンルームやパーテーション工事ではなく、柔軟で低コストな方法を選びたい。

・空調効率の改善: 成型機周辺の温度を一定に保ち、夏場の冷房・冬場の暖房効率を上げたい。

今回の現場は天井・壁ともに木下地であったため、木工ビスを用いた確実な固定を行いました。

隙間を作らない「カーブレール」の採用

一般的な直線レールではコーナー部分にどうしても隙間ができやすく、そこから埃や冷気が逃げてしまいます。

今回はカーブレールを採用することで、部屋の隅まで滑らかにカーテンを這わせ、気密性を大幅に向上させました。

これにより、加工エリアを独立したブースのような感覚で使用することが可能になります。

メンテナンス性を考慮した設計

プラスチック成型現場では、金型の交換や材料の搬入、機械のメンテナンスが頻繁に行われます。

固定式の壁ではなくビニールカーテンにすることで、必要な時だけ大きく開口でき、

日々のオペレーションを妨げない仕様となっています。

今回の間仕切り設置により、以下のような効果が期待できます。

・異物混入の低減: 外部からの気流を遮断することで、浮遊塵の侵入を抑制。製品の品質安定に寄与します。

・エネルギーコストの削減: 工場全体の広い空間を冷暖房するのではなく、カーテンで仕切られた「加工エリア」に効率よく空調を効かせることができます。昨今の電気料金高騰対策としても、非常に有効な手段です。

・労働環境の向上: スタッフが作業するエリアの温度変化を最小限に抑え、夏場の熱中症対策や冬場の冷え込み対策としても機能します。

岐阜県をはじめ東海エリアほか、滋賀県がある関西エリアの製造業様にとって、生産効率の向上とエネルギーコストの削減は共通の課題です。

「大がかりな工事は難しいが、現場環境を改善したい」という場合には、今回のようなビニールカーテンによる柔軟な間仕切りが最適解となるケースが多くあります。

当社では、現場の状況（鉄骨・木造・コンクリート）に合わせた最適な施工方法をご提案いたします。

防炎・帯電防止機能付きのシート選定など、プロの視点から現場の「困った」を解決いたします。